お手入れの手引き

日々のメンテナンス

純鉄の鋏は、生涯お使いいただけるよう丹念に仕上げた精密な道具です。 適切なお手入れを重ねていただくことで、何十年にもわたり最良の切れ味を 保ち、皆さまの仕事の傍らに末永く寄り添う相棒となります。

日々のお手入れ

1

お客様ごとに清掃

毛埃やスタイリング剤の残りを、糸くずの出ない柔らかな布で 拭き取ってください。汚れが蓄積すると切れ味や刃当たりに 影響が出てまいります。

2

しっかり乾拭き

特にネジ(要)まわりまで含め、鋏は必ず完全に乾かしてください。 上質な鋼であっても、湿気が溜まると不具合の原因となります。

3

毎日の注油

ネジの要と刃面に椿油を一滴垂らし、数回開閉させて全体に なじませてから、余分を拭き取ってください。

お手入れスケジュール

作業 頻度 目的
清掃・乾燥 使用のたびに 汚れの蓄積・錆の予防
要と刃面への注油 毎日 滑らかな動き・保護
テンションの確認 毎週 最良の切れ味を保つため
しっかりとした清拭 毎月 落ちにくい汚れの除去
プロによる点検 6 〜 12 ヶ月ごと 刃の形状を保つため

テンションの調整

テンション(ネジの張り具合)は、切れ味と鋏の寿命に直結する重要な 要素です。使用中に刃が開いてしまわず、かつ滑らかに切れるところが 理想の張り具合です。

テンションの確認方法

刃先を上に向けて鋏を持ち、半分ほど開いた状態で片方のハンドル から手を離してください。適切なテンションであれば、滑らかに 下りてきて、おおよそ 3 分の 1 開いたところで止まります。

調整のしかた

付属のテンションキーを使って、少しずつ調整いたします。 時計回りで締まり、反時計回りで緩みます。4 分の 1 回転ずつ 動かしながら、その都度お試しください。

理想のバランス

髪を押さずに、すっと切れるところが適正です。締めすぎは 刃の早期摩耗と手の疲労を招き、緩すぎは刃口を傷めます。

すべきこと

  • 使わないときは専用ケースに収納する
  • 清潔で乾いた人毛のみに使用する
  • 力を抜いて、正しい持ち方で構える
  • 認定技術者による定期点検を受ける
  • 他の道具と分けて保管する
  • 持ち運びは緩衝材入りのケースで

避けるべきこと

  • 硬い台の上に落としたり、投げ置きする
  • 合成毛・ウィッグへの使用
  • 対応モデル以外を濡れた髪に使う
  • テンションネジを締めすぎる
  • 自分で研ぎ直しを試みる
  • 湿度の高い場所に保管する

おすすめの油

純度の高い日本産の椿油をおすすめいたします。椿油は、埃を呼びにくく、 滑らかな動きと確かな保護を両立してくれる、鋏のお手入れに最も適した 油のひとつです。

よくあるお悩みと対処

動きが渋い

まずは要の周りを丁寧に清掃し、注油してみてください。それでも 改善しない場合は、テンションの締めすぎか、専門家による清掃が 必要かもしれません。

髪が押される・折れる

多くは刃の切れ味の低下か、テンションの不適正が原因です。まず テンションを確認し、改善しない場合は研ぎ直しをご依頼ください。

刃が合わない

落下や要の摩耗が考えられます。これ以上のダメージを防ぐため、 使用を直ちに中止し、正規のサポート窓口までご連絡ください。

プロのお手入れ技を身につける

日々のお手入れ、テンション調整、正しい扱いかたなどを、動画で詳しく ご覧いただけます。鋏の性能を最大限に、そして末永くお使いいただく ためにお役立てください。

お手入れ動画を見る

大切なこと: 手入れの行き届いた鋏は、単なる道具ではなく、 技と生業への「投資」です。

ご質問は info@juntetsu.com までお気軽にどうぞ